取組紹介

地球温暖化から農業を守る農業高校生の挑戦
静岡県立富岳館高等学校 環境科学研究部(生徒の活動)
第1回グッドライフアワード
活動拠点:
静岡県富士宮市
WEB:
http://www.fugakukan-h.sakura.ne.jp
Facebook:
 

取組の紹介

静岡県内では温室を使ったトマト生産が盛んだが、温暖化による夏の暑さの影響で温室内が高温化、トマト等の生育が悪くなり、農作物の安定生産が危惧されている。
近年、キノコが新たな植物成長調節物質(アザヒポキサンチン・AHX、環境変化に強い性質)を生成していることが発表された。私達はその物質を活用し「温暖化に負けないトマト生産」に挑戦した。AHXを取り入れた媒体として、地元・製紙業(富士宮市主産業)の廃材・ペーパースラッジに着目、AHXとチップの組合せ「AHXチップ」を考案した。
私達は、富士山高原で採取したキノコ(シバフタケ)から「アザヒポキサンチン・AHX」を抽出した。高温下におけるAHX の効果を検証した。トマト種子に35℃の高温を与え、発芽率を調べたこところ、AHX区の発芽率は70%、無処理区の1.7倍の値を示した。さらに、培地に植えつけたトマトの根の長さを1週間測定した。その結果、AHX区の根はストレスを受けずに成長することが分かった。
私達はAHXを取り入れた媒体として、地元・製紙業(富士宮市の主産業)の廃材・ペーパースラッジに着目、AHXチップ(大きさ:1cm、質量:1g、ペーパースラッジをチップ化・炭化、AHXを浸漬、リサイクル製品)を開発した。
私達はAHXチップによるトマトの養液栽培を行った。その結果、AHXチップ区の苗は無処理区の1.3倍、成長するとともに、高い成長速度を示した。根の生育を調査した。AHXチップ区の根は無処理区の1.6倍に発達していた。生殖成長については、AHXチップ区の収量は無処理区の1.4倍の値を示し、糖度も高まることが分かった。
私達は、農家を訪問し、意見交換した。その結果、地域の複数のトマト農家へAHXチップが試験導入された。私達は東京の小学校に出前授業(環境教育)を行い、温暖化から江戸野菜を守る活動にAHXチップが活用された。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

AHXチップは環境資材として夏場のファンの使用を抑えて栽培できるため、発電に伴うCO2排出量を減少、温暖化防止に貢献できる。今後も私達は広報活動にも力を注ぎ、市民講座やシンポジウムで出前授業を行い、小学生から農家まで世代を超えた富士山エコチームを結成、環境保護を啓発していきたい。また、AHXチップを量産化し、メロンやミカンに活用、静岡県の産地を守りたい。AHXの耐塩性を東北の塩害水田に活用したい。

実行委員会からのコメント

温暖化に伴う農家への影響を、地元の素材を取り入れたアイデアと研究によって、改善に導いた事はもちろん評価に値しますが、何よりそれを他の地域に展開できる所まで昇華させた事が素晴らしいです。今後多くの地域での使用が始まる事を期待しています。