取組紹介

森と命を繋ぐ歩道橋「アニマルパスウェイ」の開発と普及
アニマルパスウェイ研究会
第2回グッドライフアワード
活動拠点:
山梨県北杜市高根町
WEB:
http://www.animalpathway.org/

取組の紹介

私達が便利に利用している道路や鉄道なので連続する構造物により困っている動物達が沢山います。特に森の中を枝から枝を通り道としているニホンリスやニホンヤマネなどの樹上性の野生動物は、分断された森を行き来出来なくなると、遺伝子の劣化を招き、ロードキルに会うこともあります。当プロジェクトは余り顧みることが無いこれらの動物のための歩道橋「アニマルパスウェイ」を開発し、全国に普及する取組を行っております。

活動のきっかけは?

2004年に経団連自然保護協議会の建設業とNGO/NPOとの懇談会の中で、現会長より森林を分断する道路建設における樹上性野生動物の問題を提起され、賛同した企業、個人とアニマルパスウェイ研究会を創設した。約127万kmの総道路延長、森林率約68%の国内状況から推定すると多くの箇所で樹上性動物にとって道路などがバリアとなっており、地域絶滅などを生じる一因になっていると推測できる。

問題解決のために取り組んだ方法

人工的な材料や構造を野生動物が利用してくれるかどうか2年半ほどの実証実験を実施、また開発したアニマルパスウェイは道路上に建設されるため、積雪やつららなどの発生状況を検証、通行する人や車への安全性を配慮した。また実際に利用されているかどうかを実証するためのモニタリング実施し、多種の動物の利用を確認し、自治体市長などと連携して、市道、県道などの既設道路に建設。また普及のためには廉価であることが重要と考え、材料を選んだ。

今までの成功のポイントは?
  • 多種な主体(企業:技術・マネージメントや資金、NGO・大学:専門知識、自治体:管理、一般市民など)の連携
  • 国内では事例が少なく、全国の問題意識を保有する方々と連携を図れた。
  • ニホンヤマネ、ニホンリス、ヒメネズミ、ホンドテン、モモンガなどの利用をモニタリング映像で数多く確認できた。
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

野生動物は連続する人工的な構造物や開発などの影響で、繁殖機会や採餌機会を逸している状況を回避するため、連続する森林を分断している箇所をGISなどを用いて特定し、樹上性動物の生息状況、ロードキルの現状などを調査して、可能な個所にについて自治体に提案して、アニマルパスウェイの設置を促していきたい。また、シンポジウムなどを通して、国内外との連携を図っていきたい。私達の活動を絵本などの配布により次世代の子供たちに伝えていきたい。

プロフィール

元大成建設株式会社環境マネジメント部長、環境本部参与、一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会代表理事、アニマルパスウェイ研究会事務局

実行委員会からのコメント

我々が普段何気なく通行している道路ですが、その建設のために元々住んでいた動物たちの生活を阻害している実情を知り、人間と動物たちとの共生について考えるきっかけになりました。我々人間の利便性を損なわずに、これまでは十分には考慮されていなかった動物たちの生活を守るための解決策を提示していただいたことが高く評価できます。企業や学者など多くの方が集まり、自分たちで「アニマルパスウェイ」を開発し、その実証実験まで実施するという行動力は賞賛に値します。弱い立場にある小さくてかわいい動物たちの目線に立ちながら、一緒に暮らしていける取組が広く普及することを期待します。