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取り組み一覧

カメ救出大作戦!! ~電車の遅れも防ぎマンネン~
西日本旅客鉄道株式会社 近畿統括本部
第4回グッドライフアワード
活動拠点:
奈良県香芝市(JR和歌山線JR五位堂駅)、奈良県御所市(JR和歌山線掖上駅)
カテゴリー:
交通
WEB:
https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/11/page_7955.html
取り組みの紹介

奈良県内を走るJR和歌山線では、毎年、夏になるとポイント(分岐器)にカメが挟まり、赤信号のままとなる障害が発生。近くに池があることからカメが線路に進入しないようフェンスを設けたが効果が無く、カメの専門家(亀崎直樹氏)に相談したところ、カメは数百m離れた踏切から侵入しポイントまで歩いてくると予想された。訓練線にてカメの行動を知る実験を行った結果、幅24㎝深さ24㎝のU字溝をポイント手前に設置することで、カメがU字溝に落ち、安全に保護できることが実証された。実際にJR五位堂駅や掖上駅に設置したところ、カメの保護と列車遅延害の解消に成功。保護したカメは、外来種のアカミミガメとクサガメであったため、須磨海浜水族園に収容してもらっている。このプロジェクトは、動物愛護、生態系保全を行いながら列車の遅れを無くす貴重な例で、その想いを継続させるため「亀は万年」に倣い、「マンネン」をプロジェクト名に盛り込んだ。

活動のきっかけは?

ポイント(分岐器)にカメが挟まり、信号が赤のまま変わらなくなる列車遅延が近畿圏で02~14年度に13件発生していた。線路脇から進入できないよう線路立入防止フェンス下の隙間を埋める対策をしたが効果が無かった。環境負荷の少ない公共交通の利用促進には、安全性に加え定時性確保が必要であり、有効な対策を施したいと考えた。何よりカメの事故死現場が凄惨で、命を救いたかった。

問題解決のために取り組んだ方法

2014年10月、カメの専門家(神戸市立須磨海浜水族園亀崎直樹氏)に相談し、協働して対策案を策定した。線路が敷かれた訓練設備にて、カメが挟まった状態を再現した対策実験を行い、最終的な装置形状等の決定を行った。U字溝をポイント手前の線路下に設置することでカメが落ち、安全に保護できることが実証できたため、カメによる列車遅延が発生していたJR五位堂駅、掖上駅のポイント手前に実際にU字溝を設置した。

今までの成功のポイントは?
  • カメの進入経路がJR側で想定していた線路脇ではなく、遠く離れた踏切であることを専門家から指摘され、観点を変えることができたこと。
  • 対策が安価で行え、また高い実効性が認められたこと。2015年4月に実際に営業線にU字溝を設置。2015年4~8月の間に10匹のカメが助けられ10回分のポイント障害による列車遅延が回避された。
  • 動物を安易に殺傷する事案が防げた上、装置を設置した場所のカメ類の種組成なども明らかに出来る。その結果に基づいて生物多様性保全に貢献できる。具体的には産卵に向かう外来種を捕獲し、繁殖を防ぐことができた。
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

保線により旅客の安全で確実な輸送を行なうことが我々の使命ではあるが、全国を網羅して敷設されている鉄路を用いて生物多様性の保全にも貢献できることが明らかになった。今後も須磨海浜水族園と協力し全国の問題箇所にこの装置を広め、遅延防止を図るとともに、生物多様性、特にカメの保護や調査に貢献し、さらにそれを駅や車内で啓発していきたいと考えている。

プロフィール

西日本旅客鉄道株式会社は、国鉄民営化に伴い昭和62年4月1日に発足した旅客鉄道会社の一つです。総延長距離5,007.1キロメートル、北陸地方・近畿地方・中国地方の大部分2府16県におよぶ鉄道網が私たちのネットワークです。私たちは、地球環境保護は企業の重要な社会的責任であるとの認識のもと、JR西日本グループが一体となって企業活動と地球環境との相互作用の理解に努め、持続的発展が可能な社会の実現に貢献しています。

「電車とカメ?」と実行委員会でそのフレーズにまず驚き、そして、内容を確認し納得、最後は重要な活動であることで委員が一致しました。これも立派な自然と人間との共生を考えた活動です。非常にユニークなこの活動を応援しています。
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