取組紹介

森と里山を守る紙「里山物語」の取り組み
中越パルプ工業株式会社
第4回グッドライフアワード
活動拠点:
東京都中央区
WEB:
http://www.chuetsu-pulp.co.jp/

取組の紹介

総合製紙メーカーの中越パルプ工業は、誰でも社会に貢献できる紙を2009年に創り出し、活動しています。印刷用紙を「里山物語」に変えるだけで様々なソーシャルグッドが生まれ、人の繋がりが活動の輪を広げます。
紙の原料となる木は、クレジット方式という環境手法により100%間伐材を活用し、森林保全を図ります。一方で、紙代金に含む寄付金が、里山で社会的意義の高い活動をする団体を応援することで、持続的に里山=生物多様性の保全を図りつつ、NPOと協業しながら里山の新たな価値を発掘しています。
「里山物語」は多様な印刷用紙に対応できるため、冊子やパンフレット、チラシ等、何にでも利用できます。企業や団体は手軽に社会貢献を実現、個人による支援団体へのボランティアも可能にしました。
これまでに全国6団体を支援しています。製造業では難しいといわれる活動を率先し、これからも全国に支援先が広がるよう、皆さまと取り組んでいきます。

活動のきっかけは?

長年、山に切り捨てられていた間伐材ですが、2009年当時には、林野庁主導で国産材の積極的な利用を促し、国の補助が森林に還元される仕組みができつつありました。一方で、生物多様性の宝庫として世界的注目を集めている日本の「里山」は、翌年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が日本・名古屋開催を控えているにも関わらず、全国進展が見えてこない事から、民間企業として率先し、里山を保全する仕組みを思案しました。

問題解決のために取り組んだ方法

「里山物語」は環境省のクレジット方式を採用したことにより、品質面の制約を受けず、本来印刷用紙に配合されない間伐材を100%配合したと同等の効果を得られます。製紙業界随一の間伐材集荷により、国内森林保全に貢献しています。
またCRMと呼ばれる、事業活動と社会的課題の解決を同時に図るマーケティング手法を採用しています。販売価格に付加した寄付金で、里山を有効活用している団体の活動を支援する仕組みをつくりました。

今までの成功のポイントは?
  • 紙を「里山物語」に変えるだけで、森林保全や里山保全、大きなお金や手間をかけずに、一緒に貢献、参加できます。
  • 寄付金の支援先は、一過性の里山保全ではなく、実際に里山を持続的に活用しながら、社会的意義のある活動を行う団体であり、新しい里山の活用事例です。
  • 早くから専門知識を有するNPOと協業することにより、透明性、信頼性の高い活動ができています。
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

「里山物語」の支援先が将来、全国各地に広がるよう、一緒になって多くの方に応援いただきたいです。当社の紙づくりという本業に組み込んでいるため、収益に左右されず持続できます。様々な企業においても、どこかで当社の取り組みがヒントになり、社会に対して何ができるか自分たちで考え、独自の取り組みを始める企業が増えれば、今よりもっと良い社会になっていくと確信します。

プロフィール

中越パルプ工業は、富山県高岡市と鹿児島県薩摩川内市に工場を有し、印刷用紙から産業用紙まで、様々な原紙を毎日24時間操業で、年間約80万トンの紙パルプを製造する製紙会社です。「里山物語」の他にも、日本の放置竹林問題に目を向け、製紙業界で唯一、日本の竹100%でできた「竹紙(たけがみ)」も製造販売するなど、本業を通じた活動で持続性のある、様々な独自のソーシャルグッドに挑戦しています。

実行委員会からのコメント

環境省のクレジット方式を採用した間伐材の紙「里山物語」の使用による里山保全の取組です。森林と紙は非常に密接に関わっています。製紙業界の方からこのような動きがあるのはとても素晴らしいことだと思います。ぜひ広げていきたいですね。