取組紹介

郷土の森づくり
新日鐵住金株式会社
第2回グッドライフアワード
活動拠点:
大分製鐵所(大分県大分市大字西ノ洲1)をはじめとする国内16事業所
WEB:
http://www.nssmc.com/csr/social/forest.html

取組の紹介

当社は、1970年代より自然と人間の共生を目指して、国際生態学センターの宮脇昭所長(横浜国立大学名誉教授)のご指導のもと、各地の製鉄所で「郷土(ふるさと)の森づくり」を推進してきました。これは、近くの歴史ある神社の森でその土地本来の自然植生を調べ、鎮守の森を製鉄所構内に再現するもので、地域の方々と社員が一つひとつ丁寧に植えてきました。今では、約900ヘクタール(東京ドーム約190個分)にも及ぶ森に育っています。 

活動のきっかけは?

1960~70年代、当時は高度経済成長の真っ只中にあって、大気汚染、水質汚染が深刻化し、大企業の工場はその元凶とみなされていました。そんな中、建設中の大分製鉄所(1970年竣工)の緑化に取り組むにあたって、当時の環境管理室式村健室長は、横浜国立大学の宮脇先生の取組みに着目しました。先生は、主木が枯れたら溶鉱炉の火を消すこと、全ての製鉄所で取組むことの2つを条件として提示され、当社はそれを受け入れて始まりました。   

問題解決のために取り組んだ方法

宮脇先生は1958年から2年間ドイツに留学し潜在自然植生というものを学びました。潜在自然植生とは、その土地に人間の干渉が一切ないと仮定したときにできる、その土地本来の植物の集団のことをいい、古くからある神社に多く残されていることに宮脇先生は着目しました。その調査を元に慎重に樹木を選定し、ポット苗をつくり、造成したマウンドに1?当たり3本の違った苗を植える(混植、密植)という手法をつくりあげました。

今までの成功のポイントは?
  • 当社は「環境経営」を基軸として、環境への負荷の少ない環境保全型社会の構築に貢献することを自らに課してきました。郷土の森づくりはその理念のもと環境創造への取組みの一環として続けてくることができました。
  • 当時の全ての製鉄所で取組みを始め、現在に至るまで40年以上も活動を継続してきました。当初、地域の方々の協力も得て、ドングリ拾いや植樹を行い、現在でも新入社員の環境教育の一環として植樹を継続しています。  
  • 潜在自然植生を再現することにより、自然に近い状態で木々が成長することから、剪定、間伐等の手入れをする必要が殆どなく、維持するための負担が少ないこともあり、長期に亘って取組むことができています。
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

当社の郷土の森づくりは、日本で初めての生態学的手法に基づく企業による地域の景観に溶け込む森づくりです。全国の製鉄所の森には、野鳥たちが集い多様な生物たちの姿も見られます。土地本来の木々に、土地本来の野生生物たちが帰ってくるのです。このように、CO2吸収源としての役割とともに、生物多様性の保全にも大きく貢献しています。当社はこの郷土の森づくりをこれからも続けていきます。

プロフィール

新日鐵住金は、2012年に新日本製鐵と住友金属工業の統合により発足しました。当社は環境経営を基軸とし、エコプロセス、エコプロダクツ、エコソリューションの3つのエコと革新的技術開発を通じて、地球温暖化問題への対応や良好な生活環境の維持向上に加え、廃棄物削減・リサイクルの促進、さらには生物多様性の維持・改善など、地域レベルから地球規模に至る様々な環境課題に対して取り組んでいます。 

実行委員会からのコメント

経済性だけでなく、環境経営の視点をもって企業が緑化運動を実施している点が評価できます。また、40年以上もの長い間、活動を継続している点は特筆に値します。今後も、各地での森づくりを継続していただき、多くの企業に同種の取組が波及していくことを期待します。