取組紹介

<耕さない田んぼ>に生きものが集い、人が集う。
子どもも大人も自ら生きる力を学び合う「野育園」
たそがれ野育園運営協議会
第6回グッドライフ アワード
活動拠点:
秋田県潟上市
WEB:
http://tasogarenoiku.strikingly.com
Facebook:
https://www.facebook.com/tasogarefarm/

取組の紹介

土を耕さずにお米をつくる菊地家の不耕起・冬期湛水田(ふこうき・とうきたんすいでん)。農薬や化学肥料に頼らず、自然に近い水場をなすこの田んぼには、カエルやトンボ、蛍に白鳥など多様な生きものが集います。その一角をマイ田んぼとして消費者がシェアし、子どもも大人も一緒になって手作業で稲の一生に携わりながら、自らが食べるお米の自給を目指す「野育園(のいくえん)」。田植えや稲刈りの一時体験とは異なり、自然の循環、その中にある自分までも感じとれる心身の学びの場です。活動は野菜栽培、保存食づくりなどにも展開。自然との関わりの中で養われる生きる力・活かす力をベースに、消費に委ねきらない主体的な生活者コミュニティが育まれています。農業の担い手不足が深刻化する今、田んぼという場を都市居住者にも開くこの取組は、小規模農家の経営土台を強化しながら、豊かな田園、安全な食を未来へ繋ぐモデルとなり得ると考えています。

活動のきっかけは?

長雨でぬかるんだ田んぼに収穫機械を入れられず、このピンチに県内、遠くは関西や北海道からのべ200人もの人々が手刈り応援に駆けつけてくれたことがあります。農村の衰退が著しい今日、生産・消費の隔たりを越えたコミュニティを平時から育む必要性を確信した原体験です。田んぼの目的をこれまでの「食糧生産」から一度離れて見ることで、子どもの自然観察や都市居住者の農体験など、新たな可能性が広がってきました。

問題解決のために取り組んだ方法

【目指すビジョン】米価格は下落傾向を続け、農業人口は200万人を割りました。人手不足により荒れ果てた農地が急増しています。人口減少の局面を迎えた今、安全な食と豊かな田園を守るためには、田んぼという場のポテンシャルを高める新たな視点が必要です。収量競争する従来の田んぼから、人が集い、つくること・食べることを共有する<共創・共奏・共想>田んぼへ。この転換が、私たちが目指す21世紀の農村の歩み方です。

【達成方法】<共創・共奏・共想>田んぼ実現に必要なのは、農家が都市居住者に向けて田んぼを開き、農への入口を提供すること。田んぼそのものをオープンソース化することで、お金があれば何でも手に入る社会で自ら生きる力を失ってきた人々が、消費者から<生産的消費者>へと成長することができます。「野育園」は、小規模農家がそれを実現する一モデル。耕作放棄地を蘇らせる一手としても、他地域に転用可能なソフトです。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

「農ある暮らし」の面白さを深く味わうことができるよう、様々な作物の生産だけでなく、食品加工等のプロセスも体験できるような仕組づくりをしていきます。新規性のある取組やより学びを深められるような体制づくり、関連イベントを開催するなど、地域内外の活動体との交流促進を図り、農山村部の魅力を顕在化していければと考えています。

プロフィール

この取組は平成25年にファームガーデンたそがれ(菊地家)の家族営農から出発し、平成26年より「たそがれ野育園運営協議会」として運営しています。協議会は参加者の中からの有志で構成。1)持続的で再生産可能な自然農法を通して農山村地域の発展につなげる 。2)農山村の景観を生かした地域づくりを目的とし、技術交流及び普及活動や、消費者・生産者相互による自給体験を通したコミュニティづくりなどを行っています。