取組紹介

絶滅危惧種をすくう社会の仕組み:絶滅魚カワバタモロコ再生プロジェクト
カワバタモロコ増殖・放流連絡会議
第2回グッドライフアワード
活動拠点:
徳島県鳴門市、徳島市、阿南市
WEB:
http://www.pref.tokushima.jp/docs/2013040200079/

取組の紹介

徳島県ですでに絶滅したと思われていた小型淡水魚カワバタモロコが2004年に再発見。これを再び絶滅させまいと、産官学民13部局が連携。かかわる人や機関それぞれがメリットを見出だせるように、絶滅危惧種を「多用途に使える県民の財産」と位置づけた。そして、研究・飼育・環境学習などに利用しながら数を増やし生息地に返すプロジェクト。今では5機関で飼育。絶滅危惧種を守る社会的な"分業"の仕組みができた。

活動のきっかけは?

絶滅危惧種の"絶滅"が止まらない――カワバタモロコのように日本全体でみればまだいる生き物も、都道府県・市町村ごとにみれば局所的に"絶滅"が始まっている。それが積み重なり、いずれは日本からいなくなってしまう。そんな各地の保護の現場は、NPO/任意団体/研究者/行政/企業など有志のボランティアで支えられている。でも、それだけ。珍しくもない普通の絶滅危惧種を守る社会の仕組みがないのが現状だ。

問題解決のために取り組んだ方法

できることをちょっとずつ持ち寄った――絶滅危惧種を守るといっても1人で全部はとてもじゃないけど無理。じゃあ、自分にできるちょっとしたことは何? それを持ち寄った結果、水産の専門家は飼育ノウハウを、企業は資材や敷地を提供したり、高校生はクラブ活動で、研究者は全体の調整を、行政は取り組み自体を知事公認に。誰もが無理せず、自分のためにもなるので続く。そんな分業の仕組みができた。

今までの成功のポイントは?
  • 絶滅危惧種は手厚く保護から、使える財産に
  • できることをできる範囲で持ち寄る
  • 無理せず楽しく全員がWin-Win
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

みんなで増やしたカワバタモロコを今年度自然に戻すことに。でも、県内にはまだまだ絶滅しそうな生き物がいる。プロジェクトのメンバーが飼育する「オヤニラミ」や、県内研究者がバケツで育てているのが唯一の株「ヒメビシ」などなど。今回の取り組みを他の生き物にも広げて行きたい。また、この取り組み自体、他県でも真似してもらえる社会の仕組みなので使ってもらいたい。

プロフィール

13部局に及ぶ産官学民の緩やかな連携によって成り立つこの会議。行政も企業もどこも予算がない時代に、どうやって社会課題を解決すればいいのか?やるべきことを押し付けあってできない理由を持ち寄るよりも、何でもできる形にしてやれることを持ち寄ることにした。いろいろな立場のメンバーがいるのに和やかな雰囲気なのは、やれることしか持ち寄らないから、いつもやった成果が集まり、面白いからだ。

実行委員会からのコメント

2度の絶滅の危機に瀕したカワバタモロコを地域の宝とすることで、企業、自治体、研究者、学校など、多様な主体が連携して、それぞれの主体の「強み」をいかしながら、カワバタモロコの再生に効果的に取り組んでいることを高く評価します。近い将来、多くのカワバタモロコが泳ぐ川の風景が目に浮かびます。それぞれの主体が「できること」を持ち寄って、無理なく実施できる体制を構築したことが、継続的な取組を実現できた秘訣だと思います。こうした工夫は、全国のあらゆる分野の活動のロールモデルとなることが期待されます。今後も、参加の環が拡大していくことを期待しています。