取組紹介

SATURN project
森田屋
第2回グッドライフアワード
活動拠点:
茨城県笠間市
WEB:
http://moritaya11.web.fc2.com
Facebook:
https://www.facebook.com/ut4011

取組の紹介

江戸時代から呉服商を営み、戦後アパレルメーカーに転換した民間企業発のプロジェクト。障害者自立支援法の施行と同時に、民間企業において茨城県初の障がい者への就労支援を開始。
施設利用者の社会との関わりの為に工場をオープン化し、洋服の製造工程で出る端切れを利用した商品の企画・販売、学校や芸術館等で環境問題を身近に捉えるためのアートワークショップによる啓蒙活動、美術館やギャラリーで作品展示も行っている。

活動のきっかけは?

衣料を生産する際に大量の端切れが産業廃棄物となる。これを単に環境問題として訴えるのではなく、産廃を価値あるものへアップサイクルすることで持続可能な社会に繋げることを目標として始めた。
また、国内の縫製産業は担い手の高齢化や海外生産に移行し、倒産や廃業などで減少が進む中、障がい者にも技術の継承をしていくことで、自立支援と社会参加を促し、同時に日本のものづくりの維持・発展をさせることも動機である。

問題解決のために取り組んだ方法

製造工程での大量の端切れを、創作者である障がい者の個性をデザインに反映した雑貨などにアップサイクルし販売することで、産廃の有効活用及び啓蒙活動、さらに障がい者の自立支援の両方の解決を目指している。
また、施設内では熟練した職人とともに分け隔てなく、実際に高級婦人服も生産している。障がい者の月額工賃は一般的に低いが、創作と製作をバランス良く行うことで技術と工賃を高バランスで向上させることが出来た。

今までの成功のポイントは?
  • 洋服を製造する際に出る大量の端切れは、通常は産業廃棄物として処分される。これを障がい者の個性を活かした創作作品やエコなプロダクトとしてアップサイクルし有価物として販売することで工賃の引き上げを達成。
  • 障害を持っていたとしても、個々に適した支援と理解を行えば全体の生産効率や品質を向上することが見込める。例えば障害とされがちな自閉的傾向は、逆に品質を上げる為の才能と見ることができる。
  • 端切れを利用し、針や糸を使わず誰でも気軽に楽しめるアートワークショップによる啓蒙活動で、若年層や高感度なアーリーアダプター層にアプローチ。楽しみながら環境問題について考えてもらう機会を提供。
プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

昨今のあらゆる産業はファスト化が一段と進み、一部の意識の高い消費者の間ではエコやエシカル・フェアトレードが叫ばれるようになった。しかし障がい者の自立支援においては、業界的に単純で安価な内職作業を請け負い続けているため、技術も工賃も低水準のままである。
こういった諸問題に対し、障害の有無や区別なく、つくる側・買い求める側も一緒になって、健全で楽しい持続可能な社会やアパレル業界を実現させたい。

プロフィール

神奈川大学法学部自治行政学科卒。
福祉や環境問題における諸問題に取り組むため、2007年に出身地の笠間市にある婦人服縫製工場内に障がい者向けの就労支援施設を設立。水戸芸術館や茨城県立近代美術館、小学校や保育園などでワークショップや作品展示を行った。2013年度には、いばらきデザインセレクションにて活動や事業内容が評価され奨励賞を受賞。
現在は他に、専門学校で非常勤講師も務めている。

実行委員会からのコメント

これまでアパレルメーカーで廃棄されていた生地を活用して、障がい者の個性や技術をいかしながら商品をデザインして、新たな価値を生み出すことにより、エコとソーシャルをうまく実現している点が高く評価できます。今後も、エコで心温まる魅力的な商品が充実し、広がっていくことを期待しています。そして、このような取組が全国のアパレルメーカーに広がり、障がい者の活躍の場が、土星(SATURN)の輪のように広がれば良いですね。