取組紹介

小さな集落の300年後を見据えたソーシャルグッドなお米事業
株式会社ギンザのサヱグサ
第6回グッドライフアワード
活動拠点:
長野県下水内郡栄村小滝
WEB:
http://kotakirice.jp

取組の紹介

長野県栄村小滝地区。2011年3月12日の長野北部地震では、7割の田んぼが壊滅的な被害を受け、集落は存続危機となる。しかし小滝は「300年先まで恵み深い里山を残したい」と、里山復興・継承の要に地元自慢のコシヒカリ「小滝米」を据え、たった3年で田んぼの機能を奇跡的に復活させた。

しかしその流通には問題があった。隣接する魚沼産コシヒカリと遜色はないが、取引価格に大差がある。さらに農法にこだわるため生産量が少なく、ほぼ地元だけで消費されてきた。

そんな中で弊社は小滝と出会い、パートナーシップを構築。集落住民による合同会社コタキプラスを支援すると同時に、子会社内に新事業部を立ち上げ、小滝米を世界に誇れる日本の米「コタキホワイト」として再ブランディング。2015年、米の販売事業に本格的に着手した。消費者に新しい米の価値観を提供するとともに、米文化の担い手の育成と、地域経済の活性化による里山継承を目指している。

活動のきっかけは?

2019年に創業150周年を迎えるギンザのサヱグサは、文化の街・銀座を拠点に、上質で本物の子ども服カルチャーを発信し続けてきた。それと同時に、将来を担う子どもたちへ、豊かで健全な・持続可能な環境社会を築き残すことをミッションとし、2012年に「SAYEGUSA GREEN PROJECT」を立ち上げ、環境保全や自然教育に取り組んできた。その取り組みのひとつ、子どもたちの自然・里山体験キャンププログラム「GREEN MAGIC」の開催地を探す中で、栄村小滝と出会った。

問題解決のために取り組んだ方法

この取り組みでは、消費者に新しい米の価値観を提供するとともに、米文化の担い手の育成と、地域経済の活性化による里山継承を目指している。

まず、小滝米の適正価格での一括買取りによるドメスティック・フェアトレードを実現した。そして、米の生産、商品の包装から出荷までの工程を地元の合同会社小滝プラスに発注することで、地元に雇用を生み出している。この状況を見た地元出身の若い世代の関心が戻りつつあり、集落の未来と農業に希望を持ったUターン促進への期待も高まっている。

サヱグサの顧客や「コタキホワイト」のファンを対象とした稲作体験ツアーを行うなど、地元と都会の交流も活性化し、関係人口を増やすことにも成功している。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

都会の人間の学びの場として、小滝を里山ツーリズムのような拠点に出来たらとの想いがある。例えば企業の研修など、あらゆる世代に小滝の良さを伝える仕組みだ。移住者を増やして地区を大きくしようとか、米の作付け量を増やし販路を拡大しようとか、そういった考えではなく、村の暮らしや財産を守りつつ「美しい里山をさらに300年後まで引継ぐ」という目標をずっと一緒に支えていく取り組みが出来ればと考えている。

プロフィール

1869年創業。子ども服の製造販売をメイン事業とし、「子どもの感性の翼をひろげよう」というコンセプトのもと様々な取り組みを行っている。2012年より『SAYEGUSA GREEN PROJECT』と称して、子ども達の未来のためにソーシャルでサステナブルな企業となることを目指し環境・社会活動を推進。大自然に囲まれた里山でのグリーンキャンプや稲作体験は、自然への敬いの心の醸成、食育や、里山の地域活性化も目指している。

実行委員会からのコメント

この取組が地域のしっかりしたブランディングにつながっている点が特に素晴らしいと思いました。お米自体の魅力はもちろんですが、この取組から現地を訪れたいという方が増え里山ツーリズムなど地域の発展につながっていくと思います。また今年は多くの災害があった年ですが、災害からの復興のために多くのヒントを与えてくれる取組であるという点も高く評価しました。
(高橋俊宏委員)